俺の見たかった「マクロスF」だった!!

マクロスFサヨナラノツバサ観てきました。



私はEVAでアニメを見始めたと何度も公言していますが、
小学生の頃は小学生なのでアニメも見る訳ですよ。
当然、マクロス7も見ていました。



思い出に残っているのは、サッカーの少年団の合宿で、
マクロス7の放送時間だと思いテレビをつけて見ていると、
当時の少しませていた友人がそれを見て、
戦闘なのに歌うたってどうするみたいな事を言われた事を思い出します。



小学生から見ても「俺の歌を聴け!!」と戦闘に飛び込むのはおかしい訳で、
よく考えると、初代マクロスを作った河森正治監督自身も、パンフレットで



「アイドル歌手の歌が宇宙戦争を止めうる」
という荒唐無稽スレスレの設定



と認めています。しかし、



ある種神話的な構造を説得力として内包していた



と振り返ると思うそうです。
コレに関して、専攻「現代思想」という私なら、
レヴィ・ストロースなどを援用して語るべきかもしれないですが、
それよりも、今作について語り始めようと思います。



その前にもう一つだけ、マクロスと私の思い出を語ります。



マクロスFが始まるまで、私にとって「マクロス」とは、
マクロスプラス」を意味していました。
これは、多くの人にとって、自分の「ガンダム」があるという、
岡田斗司夫さんに習っての表現で、
リアルタイムで見ていたとか、
ずっとシリーズを見てきたが俺が認めるのはこの「ガンダム」だ、
のようにそれぞれ自分が一押しの「ガンダム」があるという話です。
初代しか認めないのようにね。
それを「マクロス」に応用すると私にとっての「マクロス」は、
圧倒的に「プラス」でした。



EVA後のアニオタと化した私が、それ以前のジャパニメーションと呼ばれる、
様々な作品を見返していた頃に、当然の如くこの「プラス」に出会いました。
勿論当然押えるべきとして、「愛おぼえていますか」も見ました。
でも、確かに優れたSF作品として見られましたが、
「プラス」の衝撃と比べると圧倒的です。



当時、坂本真綾の「奇跡の海」に涙してから、
菅野よう子には注目していました。
ので、この作品も菅野さんが音楽を担当しているというのを知って見始めました。
が、菅野よう子初心者でした。
勿論、普通の中学生としてエスカフローネとかも見てましたが、
菅野よう子と意識し始めたのは「奇跡の海」以降です。
その後は「カーボーイビバップ」が圧倒的ですがね。



そうです。「プラス」です。
この作品の菅野さんの音楽は予想のナナメ上を行っていました。
それ以外にも見るべき点が多々ありました。
どこから述べればいいか悩みますが、



まず、ストーリー。
「記憶」の問題が絡む、大人のラブストーリー
次期主力戦闘機開発(操縦法などの技術面)をめぐる駆け引き
初音ミクの誕生を予見するかのようなヴァーチャルアイドル



作画も当時CGが使い始められていたので、
最後の手描きでのアニメショーンとして限界に挑んだメカアクション。
その後、「ゼロ」ではCGになって、「F」のTV版でも驚きましたが、
今回の「F」劇場版は更にバルキリーの細部までブラッシュアップされていました。



とにかく、私にとってマクロスは「プラス」でした。
正確にはこの「サヨナラノツバサ」を見るまでは。



「プラス」に大感動した私はその後も河森作品、
地球少女アルジュナ」や「創聖のアクエリオン」などを追い続けました。
マイベスト河森作品としては「アルジュナ」を上げますが。



そんな河森監督が25周年でもう一度「マクロス」をつくるということで、
「F」には相当期待していますた。



その期待は一話を見て更に高まりました。
なんすかね。すごく燃えた訳です。
アニメ好き、SFアニメ好きにはたまらない設定だったと思います。
そして、ビジュアル面でも新世代のアニメでした。
菅野よう子の音楽も申し分なく、
それはその後のCDの売上でも実証されました。



とにかく、EVA後の俺はEVAを超えるロボットアニメの登場を、
非常に待ち望んでいた訳です。
このことを、前回の「まどかマギカ」のPOSTでも熱く語りました。
そんな私は、最近では「ぼくらの」や「ラインバレル」に期待もしました。
そんなロボットアニメの次のジェネレーションを
待ち望む私は「F」の一話の出来の良さに期待が最高潮に至ったのです。



でも、疑問点はありました。
「プラス」の「大人」のアニメを期待していたのに、
学園モノという設定。
敵が「虫」。
TV版では設定をうまく掘り下げていけていないと感じ、
「楽しく」は見れましたが、
だんだん視聴テンションは下がっていきました。
ラストの展開もそれほど燃えませんでした。



菅野さんの音楽でのライブシーン、
過去の「マクロス」作品へのオマージュ、
CGによる高速戦闘(本当の三次元板野サーカス
などに高まるものはありました。



でも、振り返ってEVAを超えたかとなると、
素直にそうは言えない自分がいました。



TV版を最後まで見てちょっと残念な気持ちが残りました。



劇場版前編も素通りしていましたが、
Twitter氷川竜介さんが事前に一生懸命宣伝したり、
小飼弾さんが見てきてSF者としていたく感動していたのを見て、
これは俺がTV版一話を見て、
EVAを超えるアニメとして想像した「F」かもしれないと思い見に行ったわけです。



ここまで、映画本編の紹介に入るまでに長くなってしまったので、
一言だけ



「俺の見たかった『F』だった!!!」

と、
ネタバレも含みますので次回POSTで内容に触れます。